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案の定しわだらけの制服を着て帰った俺。
早速るかに電話をする。
「は、はいもしもし」
「るかか」
「げぇ! 何早速電話してきてんの?! 折角TV見てたのに…切るよ」
「明日放課後、東高の前で待ってろ」
「はぁ?」
「いいな、校門とこで待ってろよ」
「ちょ、あんた」
俺はそこで強制的に電話を切る。
いつものパターンだ、ふりまわしてふりまわして夢中にさせる。
女の生活が俺中心に回り始めるのだ。
俺はにんまりしてタバコを吸う。
口からうすく白い帯がするすると出ては消えていった。
「嘘っ!? 亮くんあの野蛮な女結局彼女にしちゃったの?!」
「るせぇなお前」
「いてっ」
頭をはたくが、サブは驚きを隠せないようだ。
学校に来るなり、あのあとどうしたのか聞いてくるから教えてやった。
ちなみにサブは俺を待っていたらしいが、どうやらすれ違いだったらしい。
たぶんあいつは女をおっかけまわしていただけだと思う。
「亮くんによってくる女なんていっぱいいるだろ、それも美人が」
「それじゃあ面白くねぇんだよ、俺が惚れさせてやりたいの」
「あーもー、亮くんの言いたいこと全然わかんなーい」
サブはそう言ってもんどりうって、机にぶつかって大転倒した。
「え、何、河野あの子と付き合うの?」
「あ、葉月」
「ふーん、河野ってあーいうのが好きなんだ」
「別にぜっんぜん好きじゃないけどな」
「ふーん」
昼休み廊下であった葉月は細い目で俺を見ている。
いかにも馬鹿にし腐ったように。
「お前のその目、俺だいっきらいだわ」
「光栄です」
「…いちいちムカつくんだよ」
「俺は河野とシンメであるくの好きだよ」
「…なんかこう、キモいんだよ、お前」
「んふ、ありがちょ」
長い手足をぶらぶらさせて、葉月はターンした。
やっぱあいつは、キモい。
***
放課後、校門前。
ただいま授業終了から、30分。
「…こねぇ」
俺におびえて後輩達が愛想笑いを浮かべながらあいさつして帰ってく。
俺はそのひとりに向かって空き缶を投げた。
あ、あたった。
「…こねぇ」
携帯にかけてみるが、留守電になっていて出ない。
俺は怒りゲージがピークに達した。
るかの学校まで、俺はバイクを走らせた。
NEXT?