キャスト


カンジ…緑川茶々

マッシュ…天見魚

リボン…土塀のちぃ坊

ヒデオト…とりごもくまろん

ペコオ…長里紅男爵

レンコ先生…細水くらげ








ヒデオト「で、返事に悩んで結局、店にレンコ先生呼び出したんだ」

ペコオ「そんで先生の悩みも聞きつつ、自分の悩みも解決するつもりらしいわよ」

ヒデオト「長楽バッドベイビーズの出番ないじゃん」

ペコオ「そんな上手くいかないから大丈夫よ」

リボン「カンジってさ」

ペコオ「何よ」

リボン「カンジって、レンコ先生が初恋なんでしょ」

三人「嘘ーっ!?」





ホイッスル

全員「長楽バッドベイビーズ 第一試合」

拍手

リボン「ハーフタイムに突入りんこだぷー☆」

マッシュ「意味わかんねっ!!」







ヒデオト「マジかよ、あれって本当だったの!?」

ペコオ「なんか聞いたことあるわ、確かみんなで暴露大会したのよね、でも先生って5年生んときの担任でしょぉ?」

マッシュ「遅くない、初恋にしては?」

リボン「でも、本当にそうなんだって」

三人「へぇーっ」

ヒデオト「でもありえなくね? 先生が初恋とか、どこのメロドラマだっつー話」

ペコオ「今時聞かない逸材よね」

リボン「でも、もっとありえないこと話したの、いる」

三人「あーっ」 ←なるほど的な

マッシュ「な、なんだよ、こっち見てんじゃねぇよっ!!」

ヒデオト「だってお前さ、今も昔もユキヤに恋してんでしょ?」

リボン「ひ わ い」

マッシュ「ちょっとやめてよその目線、へこむからっ!!」

ペコオ「そうだ、あれって5年のキャンプのときの話よねぇ…」







*回想 



とりあえず大騒ぎ 枕投げ格闘大会中

枕投げの音 連続で


カンジ「ちょっと、なんで俺ばっかり枕当てるのっ」

ペコオ「だって一番最初にダウンしたやつから、好きな人いうんでしょ?」

ヒデオト「だからさっさとカンジ狙っていくのが普通じゃん」

マッシュ「お前の地味な告白をとっかかりにしていきたいわけよ」

カンジ「なんだよそれっ!!」

リボン「やーっ」 ←普通に

マッシュ「お、リボンがカンジに卍固めきめたぞっ」

三人「やれーっ」「いけーっ」「おっしゃーっ」 など色々

カンジ「あーっ、ギブギブっ!!」

リボン「勝 っ た」



歓声とかそんなんで騒ぐ




ヒデオト「じゃあ勝利したリボンが最後ってことで、カンジのあとは布団の順番で行こうぜ」

マッシュ「げぇ、俺次じゃん」

カンジ「最初よかいいだろ」

ペコオ「じゃあカンジ、早く話してよ」


 
にやにや笑い近寄る四人 (へへへ、とか、ひひひ、とか、ふふふ、とか)


カンジ「うわくっさ、お前らさっきするめ食ったろっ!!」

リボン「カンジのかばんに入ってたの、食った」

カンジ「はぁっ!? 勝手に人のもん食ってんじゃねぇよっ!!」

ヒデオト「るせぇな、さっさと言えよ」



四人にやにや



カンジ「俺の好きな人は……レンコ先生だよ」

三人「はぁ?」 ←ヒデオト、ペコオ、マッシュ

ヒデオト「なんだよこいつ、マジ面白くない冗談なんだけど」

ペコオ「もういいわよ、はい次マッシュ」

カンジ「えーっ!! 何その反応、へこむんだけど…もういいよ…」



リボン「で、マッシュは?」

ペコオ「誰、誰よっ?」




少間




マッシュ「ユキヤ」

ヒデオト「はい?」

マッシュ「ユキヤだよ、6年生で、俺の双子の姉ちゃんの、おとこおんなのユキヤだよっ、文句あるかっ!!」


少間


四人大爆笑 (ぎゃはは、とか、うっひゃーっ、とか、マジかよーっ、とか)


ドアの開く音


レンコ「こら、いつまで起きてるのっ、もう就寝時間でしょっ」


全員寝たふり


*





ヒデオト「つーか俺達あんなころからつるんでてよく飽きないよな」

ペコオ「友情って、永遠じゃないっ」

リボン「僕もう飽きてきた」

マッシュ「嘘ーっ!?」

カンジ「あーっ、もう先生来るから静かにしてろよっ」



喫茶店のドアが開く

先生の走る音



レンコ「カンジくん」

カンジ「レンコ先生、こっちこっち …おいお前らちょっとどっかいっててよ」

ヒデオト「あいにく部屋が狭いもんで、どこの席に行っても話が聞こえちゃうんですよ」

ペコオ「あーもう、でてればいいんでしょ」

カンジ「わりぃ、頼むわ」

ヒデオト「行こうぜ」



わいわいが遠のいていく




少間




レンコ「いいの? ここってカンジくんたちの溜まり場なんでしょ?」

カンジ「いいんですよ、どうせ暇なやつらだし」

レンコ「で、用件は悩みを聞いてほしいってコトだったけど」

カンジ「いや、さきに先生の悩みを聞くよ」

レンコ「あら、どうして?」

カンジ「先生さっき、外をぼんやり眺めて言ってたじゃん 『考えごとがあってね』とか」

レンコ「あら、よく覚えてたわねぇ」

カンジ「だから、さきにレンコ先生の悩みを聞こうと思って」

レンコ「そうね…」

カンジ「何かあったの?」




レンコ「実はね…先生、好きな人ができたみたいなの」

カンジ「…みたい?」

レンコ「そう…まだよくわかんないんだけど、その人のことを見てるとね。なんだかすっごくどきどきしちゃって」

カンジ「(マジかよ、誰だよーっ!!)」←(エコー)の意味

レンコ「それでね、自分の気持ちを確かめようと思って、その人を一生懸命観察したり、その人スポーツやってるから、試合見に行ったりとかしてるの」

カンジ「(試合って…えーっ!!)」

レンコ「その人が笑顔になると、先生とっても嬉しくなっちゃって…まるで10代の頃みたいに恋焦がれてるのよ」

カンジ「(嘘、待って、試合って、もしかして…えーっマジかよーっ!?)」

レンコ「でもね、その人にこの気持ちを話すわけにはいかないの、そこが悩みなのよね」

カンジ「ど、どういうこと?」

レンコ「駄目なのよ、これを話したら、先生は一線を越えてしまうもの…」

カンジ「も、もしかして…」




*


レンコ「カンジくん」

カンジ「はい」

レンコ「先生、カンジくんのことが…」

カンジ「レンコ先生、それ以上言わないで」

レンコ「えっ、どうして?」

カンジ「俺も、同じ気持ちなんだ」

レンコ「嘘…っ でも私達、先生と生徒の関係なのよ」

カンジ「そんなことどうだっていいんだっ!! …レンコ先生、俺はあなたが好きです」

レンコ「カンジくん…っ」

カンジ「カンジなんて呼ばないで、名前で呼んでよ」

レンコ「そうね…」

*




レンコ「ヨコオくん」

カンジ「え、えーっ!? なんでペコオなのっ!?」 ←動揺

レンコ「え、あの、窓に貼ってあるポスターのラインから頭が出てるから、ヨコオくんぐらいしかいいないでしょ?」

カンジ「窓…?」

レンコ「ほら、窓に誰かがはりついてない? あそこにひとり、ふたり…四人くらいかな」

カンジ「あいつら…あとでするめ10本おごらせてやる」

レンコ「笑 あいかわらず仲良しねぇ、ところで困ったことって何かしら?」

カンジ「え、あ、実は俺も恋愛の相談で…」

レンコ「まぁ、何かしら?」

カンジ「実は…よく知らない人からラブレターをもらってさ」

レンコ「カンジくんったら、いつの間にかモテるようになっちゃったのね」

カンジ「そんなことねぇよ、はじめてだって」

レンコ「笑 それで、どんな子から貰ったの?」

カンジ「先生知ってるかな…、マッシュの双子の姉貴にさ、ユキヤっているじゃん、そいつの友達」

レンコ「あら、ユキヤちゃんの、へぇ」

カンジ「名前は…、カワイだったっけ…、あ、カサイナツミだっ!」

レンコ「え…っ」

カンジ「あ、知ってる? 何か…」

レンコ「長いみつあみで、ピンクのリボンで結んでる…?」

カンジ「そうそう、先生よく知ってんなぁ」

レンコ「制服に赤いリボンをつけてる…?」

カンジ「うわ、なんか先生の方がよく知ってんじゃん」

レンコ「その子から、ラブレターが届いたの?」

カンジ「いや、さっき自分で渡しに来た」

レンコ「結構かわいかった?」

カンジ「まぁ、そこそこに」

レンコ「…先生、もう帰るわね」

カンジ「え、どうしたの?」

レンコ「ちょっと、急用思い出しちゃった、ごめんね、また今度相談にのるわ」

カンジ「ちょっと、先生っ」




先生の走る音

喫茶店のドアが開く




カンジ「行っちゃった…」




喫茶店のドアが開く




ヒデオト「ちょっと、何かいい感じだったじゃん、あれってお前のこと言ってたのかなっ」

カンジ「いやいやいや〜っ、…って全部聞いてたのかよっ!!」

ペコオ「いいじゃない、もう隠すものなんてないでしょうが」

カンジ「ペコオがいうとなんかキモいんだよな…」

ペコオ「失礼ねっ!!」

リボン「どうして先生、急いで出てった?」

マッシュ「会話からすると、カサイナツミの名前が出たときに先生動揺しはじめたよな」

カンジ「マッシュもそう思うよなぁ…」

ヒデオト「先生とカサイナツミが知り合いなのか?」

ペコオ「なんかもっと裏がありそうよねぇ…」

マッシュ「これは調べる価値がありそうだな、カンジのためにもなるし」

カンジ「俺はついでかよっ!!」

リボン「いよいよ、バッドだな」

ヒデオト「そんじゃ団長、さっさと行動開始しようぜ」

カンジ「おう」




カンジ「クールにバッドにっ!!」

全員「長楽バッドベイビーズッ!!」

カンジ「合言葉はっ!?」

全員「バブーッバブーッ!!」

マッシュ「しまっていくぞーつ!!」

全員「オーッ!!」





リボン「レンコ先生の動揺の正体は!? ついでにカンジの恋の行方は!? 長楽バッドベイビーズ、後半戦に続きますっ!!」

カンジ「俺の恋はまたついでかよっ!!」



2205.12.24 sakana amami